コラムニスト達がよくやることで、誰かが書いたテーマに沿って主張をするっての。例えばAさんが恋愛について語るとBさんがAさんの主張に絡めた恋愛話をする、とかね。
昔は少し気持ち悪いと思っていたその事が、最近は面白さが分かってきたと思う。
居酒屋経営の社長とお話する機会が持てたので。
「サラリーマンを辞めて自営業、特にこういう水商売に手を出す事に不安を感じませんでしたか?」
「不安はあったよ。でも、会社から役職をもらって仕事をすることに意味を見出せなかったんだ。
出勤してすぐ昨日の売り上げを調べる。『よし、これだけ売り上げが出た』。次は『今日はこういう風に回せ』。現場のことなんて何も知らない、上がってくる数字しか見てない。俺のやってる事ってなんなんだ? ―――意味が無いと悟ったから。
最初は向こう(道路を挟んだ向かいの喫茶店を指差す)にカウンターのみ12席のバーを出した。うまく行ったからこっち(現在の店舗)に店を移した。固定の客はある程度いたけど怖かったね。でも『やるか・やらないか』で迷うときは必ずやるって決めてる。やると決めたら最後までやりぬく。その気持ちが一番大事なんだよ。本気になるって事がね」
「失敗から学習する事ってたくさんありますよね? 学習と挑戦ってのは互いに足を引っ張り合うというか、ある種紙一重なものだと思いますが、それをどのように乗り切りましたか?」
「失敗は重要だよ。失敗の積み重ねで次はうまくいくようになる。失敗を引きずって怯える事もあるけど、失敗の数だけ正解の選択肢は増えるから。君達みたいに若い人は今のうちからどんどん失敗して欲しいね」
成功してる人ってのは言う事が大体一緒で、そういう成功例に引きずられてみなさん夢を見るのだろうけど、何か他の要因ってないのかね? 俺はそれが知りたいのだけどなぁ。
しかしながら、こんな機会をもてるのも俺が変なサークルに入っている大学生であるからで、舞い戻ってよかったなぁと思うのである。